メールサーバーを知る

メールを送るために大事なシステム

メールを使用するようになってからどれ程の年月が経っているのかと、考えた事がある人はいるでしょうか?筆者がメールの利用を始めてから既に10数年の時間が経過している。子供の頃はまだ手紙を書いて送るをしていたのは小学生くらいまで、中学生にもなると携帯はさすがに購入許可が出なかったのでPHSのメール機能から始まる。大体の人がPHS、もしくは携帯からメール機能に入り、パソコンを使用している時期が長ければそこからメール機能を使用している人もいるだろう。メールが特に利用されるようになったのは本格的にパソコンという商品が市場に出回るようになった90年代初め、そして携帯電話が小型化するようになってメール機能が搭載されるようになったのも、およそ90年代後半にはおおよその人が当然のように使用するようになっていただろう。筆者の中学時代だけでもクラスの大半が携帯電話を持っている事が当然のようになっていた。そう考えると日本の機械への適合力は計り知れないと思える。

産業革命以降として考えても、パソコンを始めとしたシステム関係が開発されるようになるとおおよそ人の生活は便利になっていった。仕事においても、日常生活においても、今こうして生活している現代人が今から20年前に戻って当時のような生活が送れるかどうかと聞かれたら、恐らくかなり苦労することになる。今と違ってパソコンは高級品として値段も今よりも若干だとしても、お世辞にも安いとは言えないだろう。まことしやかに、人の暮らしは便利の極みへと徐々に到達しようとしているのかもしれない。

さて、そんなパソコン関係の、特にメールについて仕組みを『完璧に』、理解している人がどれほどいるだろうか。こう言ってはなんだが、皆とにかく使えれば問題ないと考えている人が多いと思う。筆者の母にしてもだ、メール機能を覚え始めた当初は操作することはもちろんだが、やり取りをそれなりにこなせるようになってからというものの、度々どうしてメールを送ってからタイムラグが生じるのかと、困った質問をかまされるときが頻繁にあった。その度にどう答えたもんかと悩んだものだ。

メールの仕組みを理解しようと思えば確かに今では簡単に調べることは出来る、ただそれもあくまで言葉として、文章としてという意味だ。技術的な意味でメール機能を本格的に使用できるように開発といった過程を踏むとなったら、恐ろしいほどの労力を強いられることになる。専門的な言葉などというものではなく、それこそ電気工学といった面でやらなければならない作業も出てくるからだ。あまり詳細をここで何かというのはあれだが、とにかく言える事は何を取るにしても面倒だということである。

学ぶとなったら本格的にやるべきなのだが、この際そういった細かいところは全て省きつつ、そしてなるべく分かりやすく出来るように、メールについての話をしていこう。

メールサーバーという存在

メールの作成は機械によって異なる、そこまでの説明は割愛するとして、そのメールを送信した先についての事を話して行こうと思う。メールを送った後、送信されたメールはそのまま相手に直接届くのではなく、あるシステムを経由しつつ届けられる。そのシステムとは『メールサーバー』だ。メールサーバーは簡単に言えば、送信されたメールを受信して保管し、その後送信元へと繋げるために各サーバーを経由しながら送信元を特定して、受信先のメールサーバーにメールを送信し、そして受け取ったメールサーバーからあて先となる相手へとメールを送信することで、ようやく相手に届く仕組みとなっている。

言葉にしてみるとかなり面倒な仕組みとなっているが、これも必要な措置だと考えるならしょうがないのかもしれない。だがここまでの過程をそれほど長くなく、そしてすぐさま相手へと届くだけのシステム構築が成り立っている。とにかくメールを送信するだけでも時間的にも、距離的にも短縮されているのは事実だ。ではこの仕組みをもう少し詳しく考察を加えながら見てみよう。

メール送受信の仕組み

  • 1:メール送信クライアントとなるMUA(Message User Agent)により、テキストデータを7bitのASCIIコードによって、SMTPプロトコルを用いて、送信側メールサーバーとなるMTAにメールの送信を依頼する。
  • 2:送信の依頼を受けたメールサーバーは、近くのDNS(Domein Name System)サーバーにドメイン情報を問い合わせる
  • 3:DNSからの問合せについては、『.(ルート)』から順に行うようになり、例として『~~@co.jp』の情報を管理するDNSサーバーまで到達すると、そこからゾーン情報を参照してメールの配送経路を確認する。
  • 4:メールの配送先については、ゾーン情報に記述されているMX(Mail Exchange)レコードによって、ホスト名によって指定され、Aレコードでそのホスト名に対するIPアドレスを指定する。
  • 5:送信されたメールは、順を追って配送されることになっているため一時保管場所となっているメールキューにて格納され、順番が廻ってきたら送信される。
  • 6:受信側メールに届いたメールを受信させる方法としては、POP3プロトコルを用いて、ユーザー認証を行うことによってメールの受信を確立させることが出来る。

箇条書きにして書いてみるとこのようになる。これでもまだ分からないという人がいたら、通信販売を例にして考えてもらいたい。今や日本でも最大手といえるシェアと顧客数を獲得している密林を例にして考えてみると、例えばある商品を購入しようとして注文したはいいが、発売日を1日過ぎてもまだ届かないという場合がある。その遅れがさらに2週間前後経過するといった自体も良くあることだ、最悪予約をキャンセルしなければいけないといった残念なこともあるが、発売日からかなり経過しているにも関わらず、ようやく発送準備が整ったという知らせが届く、これもいわゆるメールサービスと本質的には似ている。

すべてを同時進行で送信する事が出来ないのは現実でも仮想現実でも道理、用意されている道筋は1つしかないため、そこへ許容外ともいえる一日に億単位とも言える膨大なメールのやり取りを管理するには、必ず一旦メール送信を止めるための中継地点が存在しているものだ。送信された順番は届いた順、どのメールが重要で、どれがそこまで高くないから後で、といった人間的な私情はシステムに搭載されていない。だからこそいつ届いたのかというのはかなりあやふやだ、混みあっていなければそれこそ3分前後で送信と受信のやり取りを可能に出来るだろう。それも場合によっては送信してから5分以上経過して届く、なんてこともあるためいつ届くのかと断言することは出来ない。毎日多くの人がパソコンメールでのやり取りを行っていれば、当然同じ時間帯に送信している人は何千人と存在していると考えられる。さすがに人間の力ではないシステムの情報処理能力を用いられているため、速度は人間のそれと比ではない。

携帯電話のメール送信の仕組みは、またちょっと別系統

先ほどまでのメールのやり取りは携帯ではなく、パソコン同士のやり取りを想定しての話をした。そこではなく携帯のメールやり取りについて少し知りたいと考えている人も多いのではないだろうか。パソコンと携帯のメールやり取りは少々異なっている。また携帯といえど、実はメール送受信の仕組みに関しては企業独自のシステム開発によって成り立っている。今からここで挙げるのはまだまだそのシェアを維持しているドコモのメール送受信システムについてだ。

実際にどのようなシステムが採用されているのかについては詳細を知ることは出来ない、企業秘密というモノで守られている、社内でも外部に漏らせば損害賠償どころの責任問題になりかねないというところだ。そういった点を含めて考察しても分かる事は、それぞれの電話会社に独自のメールサーバーを構築しているのは共通事項だ。そのメールサーバーがどのような構造をしているのかは知るところではない、また知る由もない。

こうしたシステムの事を考えてみると、パソコンとの違いとは何なのかが気になるところでもある。大まかにはサーバーを経由してのやり取りとなるが、そうしたメールサーバーを介しての転送において、一時的に保管される場所であるメールキューというものがないこと、ネットワーク上にメールのデータ情報が保管されないというのが大きなところだろう。そのため一度破損してしまったメールは、そのまま壊れたまま相手へと送信されることになる。これが主にパソコンでのメールのやり取りと、携帯メールでのやり取りの主に違うところだ。もちろん経路などの問題も含めるとまだまだあるのだが、詳細な情報が公開されていないため、これ以上は憶測となってしまうため抑えておく。

いずれにしてもこれだけの技術が生まれてからまだ数十年という月日しか経過していないことを考えれば、人間の技術が恐るべきスピードで進化している事がよく分かるところでもある。

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    メールサーバーの仕組みを考える