不正中継について

問題の発生

メールサーバーを介さないウィルスメールや迷惑メールといった物が大変迷惑なのは言うまでもない。只でさえ開封しただけで、自分達のパソコンに何かしら第三者が介入できるような仕組みが組み込まれたら、どうなるかなど想像もしたくないことだ。一般的に考えても不届きなこうした事態と同時に、さらに最近ではメールサーバーを運用しているサイトにおいて受け取り先と全く関係のないメールが第三者に送りつけられる、といった問題が起こっていることをご存知だろうか。この時に配送されるメールもいわゆる迷惑メールになるわけだが、サイトの内容と全く関係のないものだったら当然疑問に感じるところだ。だが送り先はサーバーから送られてきているために問題ないはずなのに、このような問題が起こっている。これはサーバーの電子メールプログラムが不正に利用されているかもしれない、といった事実が浮上してくる。

この問題では企業としても人ごとではすまない、利用しているサーバーを悪意ある第三者が介入したことによって、取引先に迷惑メールを配送している、しかも宛先内は自分たちとなったら信用問題はもちろん、セキュリティ面で脆弱性が露呈してしまう。どうなるかなど考えられる結末は良いとして、こうした送ってもいないはずのメールを送っているように外部から操作できることを『不正中継』と呼んでいる。

この不正中継によってダメージを受けることになるわけだが、それを話すにはちょっとした昔話から勧めて行こうと思う。それはメール中継に関する歴史から見ると分かりやすい。そしてこのメール中継を史から読み解くことによって、迷惑メールとの関係性も見出すことが出来るので順番に考察して行こう。

メール中継の歴史

メールが誕生した頃はまだ、誰もがそれを悪用するような時代ではなく、連絡する手段として順然に用いていた人達ばかりだったのはいうまでもない。そもそもまた誕生したばかりの頃はまともに利益といった面で、何も得られなかったことも関係しているわけなのだが、今ではそんな時代があったなど到底信じられないところだ。電子メールの登場によって連絡ツールとして活用されていくことになるわけだが、現在のように送信すれば数分後には受信してもらえる便利な時代ではなかった、送ったら1時間に一回、もしくは半日掛けてようやく辿り着く、といったことも頻繁にあった。これもまた技術的な進歩によって通信速度の向上と、サーバーシステムの改善などで見られたはっきりと理解することが出来る部分だ。

そんな回線を繋ぐことでようやく相手に届く現在とは違って、幾人もの介入を伴うことでようやく相手に届けられるのが根本的な電子メールの仕組みだった。これは善意なくして届けられるモノではない、それは理解できるだろう。現在でこそ中継してからメールが届けられることはないにしても、かつてはメールを人伝いで届けるのが当たり前な時代があり、メールの内容が見られても問題ないと信用たる存在にこそ中継して送ること、それが普通のことだった。言うなれば機密情報といった細かな部分を気にしている場合ではなかった、そういうことだ。

インターネットの解禁と共に普及する

その後現在で言うところのIP接続といったものを利用することによって、幾人にも送らずに相手へと直接メールを届けられる技術が開発された。ただこの技術はまだネットワーク上の整備が追いついていなかったこともあって普及する事はなかったが、そもそもこうした技術は学術関係者を中心に普及していったこと、また通常の会社組織について日本ではインターネット解禁まで許可されていなかったというのだ。その後93年に日本でもようやくインターネットが解禁されたことで、世界各地へと瞬時にアクセスすることが出来る手段を手に入れることになる。これによって電子メールという手段ももちろん普及して行くこととなる。

この頃はまだ本当に幸せな時代だったと称する人もいる、それはメールを送る際に誰でも介入することが出来るときでもあったということ、それがまだ継続していた。その後パソコンの値下がりから始まり、プロパイダの増加も相まって、特定の企業のみならず会社や組織などといったところも安く使えるようになって行き、またメールの中身を誰が見ても問題ないとまで見られるようになっていった。今でこそ考えたら信じられないところだ、だが事実としてそんな時代も確かに合った事はゆるぎない真実。そしてそんな時代の中で中継すること、そして電子メールの進化に気付いた人々による悪用から、やがてセキュリティ面で監視をしなければならない時代が到来してくる。

そして現在に至る、暗黒時代

ある時誰かが考え付いた、電子メールアドレスを使用すれば宣伝に伴う莫大な予算を必要としないのではと、そんなことを考え付いたのだ。そしてまずは試してみないことに始まらないとして、会社に直接ダイレクトメールと送るだけから、まずその例が始まった。その時はメールを伴っての宣伝としか思わない時代だ、ただその宣伝が企業だけではなくあらゆる人々に配送されるようになったとなれば、話は別だ。そもそもどうして自分のアドレスを知っているのだろうと、そんな疑問がよぎってくる。そこで出てくる原因、そして今まで平然として行われていたメール中継によるアドレスの流出が明らかとなる。

メールアドレスというのはいわゆる個人情報の1つとなっているため、情報の売買をしている業者にしてみれば非常に価値のあるものだ。今までのように葉書などを用いての宣伝はそれに見合うだけの予算を使用しなければならない、だが電子メールアドレスになればメールファイルを作成して一括送信するだけだ。通信費は掛かるとしても、かなり安上がりであるのを理解できるだろう。こうしたことからメールアドレスを購入することが当然のように行われるようになると、かつて問題となったネズミ講などの詐欺まがいを生み出すことへと繋がっていく。

また悪いことだけは考えが付く人はその中から、インターネットの中継に目を付けて自身のプロパイダから送らずに全く違うプロパイダに送信すれば身元がばれないことに気付き、今まで善意の塊で行なわれたメール中継に魔手が伸びる形となった。そこから無差別に宣伝メールを送る迷惑メール、いわゆるスパムメールが生まれることになるわけだ。不正中継はインターネットの黎明期から見られたメールアドレスの中継を悪用した形で誕生し、それが現在のスパムメールを生み出すことになる。今まで誰も疑う事無く善意だけで行われた中継は、こうした利益優先を考えるある意味賢い人間達によって踏みにじられてしまった、ということになる。

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